8月の読書

読んだ本の数:3
読んだページ数:751
ナイス数:1

Gender Queer: A Memoir (English Edition)Gender Queer: A Memoir (English Edition)
読了日:08月16日 著者:Maia Kobabe
クイア・スタディーズ (思考のフロンティア)クイア・スタディーズ (思考のフロンティア)
読了日:08月30日 著者:河口 和也
アリとダンテ、宇宙の秘密を発見するアリとダンテ、宇宙の秘密を発見する
読了日:08月31日 著者:ベンジャミン・アリーレ・サエンス

なんとか3冊読めた。暑さのせいかSNSの不安定さ(地滑り的に日々不穏になっていく旧Twitterに残るのかマストドンにするかbluskyにするか)のせいか先月に続いてなかなか読書に集中できない。そんな中30日だったか旧Twitterの私のアカウントが凍結されてしまった。心当たりはあるが省略する。どうせTwitterは早晩捨てるつもりだったのだしと思う一方で、あまりに長年インフラと化していた場所が使えなくなり、勝手がわからずワタワタしてしまっている。ワタワタしつつも、アクセスできないことで時間ができたのは読了日付からも明らかで…まあほんとに、これでよかったのかもしれない。9月はどんどん読むぞ、まだ当分酷暑は続くみたいだけど。

『Gender Queer』はいまサウザンブックスで翻訳クラウドファンディングが進んでいるグラフィックノベル。性別二元論になじめず、恋愛や性愛についてもどうやら人と違うようだと感じた主人公の試行錯誤の年月を包み隠さずシェアするような内容でたいへんよかった。ジェンダーや恋愛・性愛に悩んだり迷ったり人と違うのかもと感じているすべての人、特に若い人たちがたとえば学校や地域の図書館でこのような本に出会えることを祈りたくなる。よかったら支援を。

『クイア・スタディーズ』は少しまとめて勉強したいなと思い、Kindle Unlimitedに入っていたものを手始めに読んだ。とはなんぞやみたいな段階なので感想はまだない。

『アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』ずっと読みたいと思っていたのだが翻訳が出ることをまったくキャッチしておらず、発売日に知って即購入しすぐ読んだ。ゲイの高校生同士のカミングオブエイジストーリーで、語り手はそのうちの1人アリ。その年齢らしい、簡潔なもどかしい言葉で語られていくのだが、自分自身や親友のダンテ、そして家族たちをひとりの人間としてその内面をとらえようと懸命に思い巡らし汲み取ろうとするさまがリアルかつとても詩的ですばらしかった。なんと詩的な、と感動して訳者あとがきを読んだら作者は詩人だそうで(小説も書いているが肩書きの先頭は英語で調べたときも詩人だった)、主人公の2人も作中でよく詩を読んでいる。メキシコ系アメリカ人としてのアイデンティティ、その社会の保守性や男性性が自身の存在の探求に大きな力を及ぼしているのも特徴的。原書が2012年と10年以上前であることをあまり感じさせない、安心して読めるしおすすめできるクィアYAだと思う。誰も死なないのでそこも安心して読んでほしい。なんと続編が2021年に刊行されたそうで、早めに読みたい。