2021年のまとめ

はっきりとした理由があるわけではないがなんとなくもう年ベスト(その年リリースの何かをあげる)はやめようとわりと今年の早い時期に思っており、年末の今も気が変わっていない。ただ今年の自分に触れたものをまとめようと思う。
幸運なことに現在の勤務先はコロナ禍でも営業に悪影響が及びにくい業種でかつ労働環境として今まででいちばんストレスが少なく、基本在宅勤務になっているので家にいるのが大好きな私は健やかに過ごすことができている。パンデミックの1年前に縁あって急に転職した会社なのだが、業績が悪いと平気で人員を下から切る社風の前職のままだったら今こうしていないかもしれないので、ほんとうに幸運としかいいようがない。家で過ごす時間が増えたため、快適化を図ってちまちまとものを導入するのも楽しい。クッションとか。もふもふ寝具とか。もふもふ寝具は在宅勤務と関係ないと思いきやたぶん関係はある。時間と気力と体力の余裕が自身のケアの方に意識を向けさせるし、それを実行する余裕も生まれるからだ。ぬいぐるみも増えた。「年相応であれ」という呪縛をおそらく人よりは早く捨てていると思うけど、この社会で生活する者としてゼロまで捨てきることはなかなか困難なのが、在宅が基本になったおかげで少し進めたかと思う。かなり好きにやっている。髪もハイライトで金髪に近い。初めてのエアジョーダンも買った。そうそう、今年50になったのだ。特に感慨はなかった、いやあるかな、さすがに50という数字は「わーたくさんだな!」という感じはしたな。
下でちょっと書いているが今年は去年秋にデビューしたP1Harmony(ピーワンハーモニー、以下ピーワンと言います)というグループを春ごろ知ってからハマっている。パフォーマンスにたいへんに新人離れしたこなれ感があり、カバーをやっても歌でもダンスでも元曲のキモをおもしろいほどしっかりつかみつつ自分たちのカラーをうまく混ぜて見事にこなすので観るたび吃驚している(のでよかったらチェックしてみてほしい)。最近のK-POPの新しいグループはサバイバル番組で結成されたところだけでなくデビュー組からは漏れたサバイバル番組出身者が所属しているところもけっこうあり、デビュー時点ですでにそれなりにしっかりとファンダムがついている場合が多い。そんな中でピーワンにはサバ番出身者がおらず(厳密に言うと1人いるけどまったく子供の時だったので除外してもいいと思う)、知名度が残念ながら低い。BTSのファンダムは韓国語コンテンツを各国語に翻訳して瞬時に世界に拡散するというような日本語記事が出ていたと思うけど、それはやはりファンダムがある程度大きくないとだめで、つまりピーワンはまだ何かコンテンツが出てもすぐに翻訳がいくらでも出回るという状況ではなく、韓国語ができないディスアドバンテージが突然大きく私にのしかかってきた。前置きがとても長くなったけどそのため以前より少しまじめに韓国語を勉強する気になったものの、とても勉強だなんて言えるようなやり方・量ではないのがなさけない。それでもわずかずつではあるけど去年よりは格段に、読めるフレーズ、聞き取れる単語が増えていてうれしい。もうちょっと勉強と呼べるレベルのことをやりたいのだが、加齢で何が如実になくなるかというと根気なのだ。ほんとうに根気が続かない。もともとそれがなくて金の切れ目で研究者の道をあきらめた人間なのに、加齢でさらに失われた根気。この根気のなさと付き合っていかなければならない。甘やかしながらやっていきたいと思う。
あと今年変わったことといえば、何やるにしてもメモを取るようになった。紙のメモ、iPad、ノートなどになんでも、きちんと管理することはまったく考えずに思いついたら書き出す、書きとめる、殴り書きでもなんでも。それをやるようになったらうっかり忘れるということが減ったような気がする。関係あるのかわからないけどいちおう同時期に起きた変化だ。うっかり忘れるというのは嫌なもので、子供の頃からうっかり忘れがちの私は常に何か忘れてるのではないかという不安につきまとわれており、いまだにそれはあるのだけど、そのなんでも書くというのとあともうひとつ荷物の中身なり準備なりをパターン化するようになったのもそういえば今年ぐらいで、ダブルでうっかり忘れることが減ってかなり不安から解放された。要はやらずに不安になっていたんだな。始めてしまえば簡単なことだけど、始めるということが常に難しいのだ。

 

今年観てよかったドラマ
今年はドラマをかなり観た。連ドラは一度観ようと決めれば終わるまで何を観るか迷わなくていいという利点(?)があるせいかなと思っている。Filmarksに日付だけつけているので観た順番に。
キングダム S1-2
秘密の森 S1-2
チョスンウ演じるファン検事は私のレプリゼンテーション(こんな切れ者ではまったくないが)。主演の男女2人が”いい感じ”になる気配すら徹底して排除しておりものすごく安心して観られることは私にとってとても重要
POSE S2
ファルコン&ウィンター・ソルジャー
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーの民にとってのエンドゲームだった。黒人であるサムがキャプテンアメリカを引き継ぐことをめぐる、キャップ&バッキーとサムとの間の非対称性までかなりじっくり描いているように感じられそれもよかった
マンダロリアン
いつでも何があっても全幅の信頼をおけるバディの話もいいけど、私は通りすがりの縁や状況を信じる(from不汗党)シチュエーションをそれよりはるかに好むのでマンダロリアンはよすぎた。ベイビーヨーダのかわいさもやばい

今年観てよかった/楽しかった映画
こちらも観た順番。
ハスラー
エクストリーム・ジョブ
チャーリーズ・エンジェル(2019)
シャンチー
ディズニープラスがリニューアルしたというので加入してIMAX Enhancedでシャンチーを観てすぐにテレビを買い替えた
シングル・オール・ザ・ウェイ
Netflixが初めて作ったクィアのホリデーシーズンムービーだってどこかで見たけどほんとなの??初めてってどういうことやねん毎年ジャカスカ作れや。ゲイカップルというだけで内容はコテコテ保守的恋愛伴侶規範と古典的家族の絆を描くかるーいロマコメだけどこの手の映画はヘテロじゃないというだけで今現在非常な価値がある。私に。
ただ悪より救いたまえ
イジョンジェがよすぎた。殺す理由は忘れた。私は文字通り受け取った。理由は忘れたけど、殺すのだ

今年よく聴いた/好きだったアルバム
なんか新しい音を欲する気分じゃなかったみたいで、しみじみとただ心地よいものをよく聴いていた。NCT 127はこれはリパケの方なんだけど、FavoriteがいにしえのK-POP的な美メロ曲で戸惑った人は多かったと思う。私も一瞬は?と思った、だってNCTだし、でもなんだか妙に好きで、かつこの曲が頭にきたことでアルバムが引き締まった感じもしてこのリパケをよく聴いていた。しかし下半期のアルバムばっかりだ。前半何してたっけと思ったらP1Harmonyにハマったんでした。ピーワン、ENHYPENとかTreasureなど同時期デビューのビッグネームの陰に隠れてあまり知られていませんが大変な大型新人なので多くの関心をお願いします。年明け早々1/3にカムバします
Gold Diggers Sound - Leon Bridges
Friends That Break Your Heart - James Blake
Favorite The 3rd Album - NCT 127
A Beautiful Revolution Pt.2 - Common
Bad Love - KEY
Shang-Chi and The Legend of The Ten Rings: The Album
忘れてた、追加。シャンチーを観たあとよく聴いている。エンディングでかかるAnderson. Paakからたいてい始める。本編にはたぶん使われていないと思うんだけどZion T.と星野源という変わった組み合わせのチームも参加、わりと好きだった

今年の曲
If You Call Me - P1Harmony
大名曲。ピーワン今年はアワードとは無縁なうえ年末番組にも1つも呼ばれなかったので私がここで大賞を差し上げたい
https://youtu.be/Z3p22MBwGkg

今年読んでよかった本
本はほんとうに読んでない。本は読むよりどうやら買うのが好きなんだなとはっきり自覚してから開き直りが加速、ますます読んでいないけど来年は部屋のたくさんの本たちをぼちぼちかじかじしていきたい
地下鉄道
ディディの傘

今年読んでよかった記事
去年Twitterのタイムラインで「よかったウェブ記事」というタグを見てそういえば記事ってわからなくなっちゃうなと思いメモするようにしていた。あとほんとちゃんと読もうと思うものはやっぱ印刷しよと思って急にレーザープリンタを買った
ブライアン・イーノが語る、ポストコロナ社会への提言とこれからの音楽体験
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/35164/
Sample Snitchingって? サンプリングミュージックの「元ネタ特定」をする前に考えてみたいこと
https://blogs.soundmain.net/blog/5386/
パンデミック下に狂い咲く、破壊と越境の音楽「hyperpop」とは何か?
https://note.com/namahoge_f/n/nb757230fd013
トイレに“男女”の区別がなくなったら?国際基督教大学にできた「オールジェンダートイレ」を使ってわかったこと
https://www.buzzfeed.com/jp/erinakamura1/allgendertoilet
今日的な、あまりに今日的な『クリスマス・キャロル』:北村紗衣
https://i-d.vice.com/jp/article/z3vd9y/d
日付のあるノート、もしくは日記のようなもの(6) 頭のなかの闇(その2)――3月16日から4月19日|田中功起 
https://genron-alpha.com/gb060_02/ 
差別や人権の問題を「個人の心の持ち方」に負わせすぎなのかもしれない。 「マジョリティの特権を可視化する」イベントレポート | こここ
https://co-coco.jp/series/study/makiko_deguchi/
なぜ『イン・ザ・ハイツ』の評価はわかれるのか ラテン系のステレオタイプと多様性
https://wezz-y.com/archives/92802
〈公正〉を乗りこなす
https://www.editus.jp/topics/rensai/fairness
朱喜哲さんによる連載で、「公正」や「正義」とは何かを言語哲学から解説する。私にはとても重要なトピックで、学びがたいへんに多い。わかった気になってなるほどな〜で終わりたくないので時間をかけて読み込んでいる